2025.02.25
プレスリリース 情報科学研究科

惑星磁気圏における未知の熱緩和メカニズムを発見?宇宙プラズマの自己組織化状態の解明に貢献?

 兵庫県立大学大学院情報科学研究科 沼田龍介教授は、惑星磁気圏におけるプラズマ中で乱流による効率的な熱交換により電子とイオンが等温化するメカニズムを、ジャイロ運動論モデルに基づく理論?シミュレーションにより新たに発見しました。

 惑星磁気圏では、高エネルギーのプラズマが磁場中に閉じ込められていますが、どのようにして自然に高いエネルギー?密度の状態を保っているのかその機構は詳しくわかっていません。これまで、磁気圏では密度勾配を遡って物質が移動する不思議な現象(内向き拡散)がプラズマの閉じ込めに寄与することが知られていましたが、本研究では、新たに粒子間衝突によらず粒子種が相互作用する機構を見出しました。これらの興味深い現象は、惑星が作る双極子磁場構造に起因していると考えられます。将来的には、自然がプラズマを安定に閉じ込める仕組みを明らかにすることをとおして、高性能な核融合プラズマ閉じ込め装置の開発につながることが期待されます。

 本研究の成果は、2月24日に英国王立天文学会月報(レター) Monthly Notices of the Royal Astronomical Society Lettersにオンライン掲載されました。

研究詳細

別添資料のとおり

論文情報

  1. タイトル
    Thermal equilibration in collisionless magnetospheric plasmas via entropymode turbulence
  2. 著者名
    Ryusuke Numata
  3. 雑誌?号?doi
    Monthly Notices of the Royal Astronomical Society Letters
    doi:10.1093/mnrasl/slaf010

問い合わせ先

兵庫県立大学大学院情報科学研究科 教授
沼田龍介
Email: numata@gsis.u-hyogo.ac.jp 

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