2025.06.12
プレスリリース 理学部?理学研究科

有機半導体の材料開発の新展開!
~太鼓型分子との連結により、素子の簡素化へ~

発表内容要旨

香川大学創造工学部の田原圭志朗准教授、兵庫県立大学大学院理学研究科の阿部正明教授らの研究グループは、既存の有機半導体に対して、太鼓型分子を連結させることで、新しい有機半導体を開発し、酸化還元に対する優れた安定性を見出しました。本研究成果は、アメリカ化学会の国際学術誌「Organometallics」に掲載されました。また、同誌で高い評価を受け、Front Cover に採択され、2025年5月12日に公開されました。
フェロセンは、太鼓型の特徴的な構造をもつ分子で、電子を安定に出し入れ(酸化還元)することができます。有機化学と無機化学の融合領域である有機金属化学という学問分野の代表的な分子でもあります。一方で、ベンゾチエノベンゾチオフェン(BTBT)は、軽くて、曲げられるフレキシブル素子の実現を目指す有機エレクトロニクス分野において、有望な分子性有機半導体として注目されています。これまで報告者の研究グループでは、有機トランジスタ素子の部材開発に取り組み、フェロセン誘導体をゲート絶縁膜のコーティング剤に、 BTBT 誘導体を有機半導体層に用いることで、有機トランジスタに不揮発性メモリ機能を付与することに成功していました(Langmuir,2020,36,5809.)。この成果を発展させ本研究では、二つの部材を一つにまとめ、素子構造を大幅に簡素化することにより、新しい有機半導体を開発することに成功しました。具体的には、フェロセンと BTBT を共有結合で連結した新規分子を化学合成しました。

詳細

別紙のとおり

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