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GOALS

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9 産業と技術革新の基盤をつくろう

ニュースバル放射光施設でしかできない最先端科学

高度産業科学技術研究所

橋本 智?教授

ほぼ光速で運動する電子の軌道を磁場で曲げると、X線領域の非常に明るい光(放射光)が放出されます。電子を加速するには巨大な加速器が必要で、私の研究室では国内大学最大の「ニュースバル電子加速器」を運用しています。加速器の安定運用と高度化により、放射光による最先端研究や産業応用を推進するとともに、相対論的電子ビームを用いた新光源やLCSガンマ線の生成など、加速器科学の研究を進めています。


多元的検索要求に対応する情報検索

情報科学研究科

大島 裕明?准教授

情報を取得することは、現在の社会において重要性が高いものと言えます。本研究室では、ユーザの多様な検索意図に応じた情報検索技術を研究しています。例えば、博物館の電子ガイドでは、来館者の関心や行動履歴に基づいて展示物を個別に推薦し、学びを深める支援を行います。検索クエリに対して、多様な視点での情報提示を行い、情報アクセスの格差を縮小し、誰もが自分に合った情報にたどり着ける環境を実現します。


エキゾチックな特性を示す電子の探求

理学研究科

水戸 毅?教授

物質の示す多くの性質は、その物質が持つ電子の状態によって決まります。私たちが最近集中的に研究しているテーマの一つは、質量がゼロとみなされ、将来の低消費デバイスや量子コンピューターへの応用が期待されるディラック電子です。私たちの研究グループでは、リンの同素体である黒リンを加圧するとディラック電子が生じることを、超伝導マグネットを用いた核磁気共鳴(NMR)実験によって世界で初めて明らかにしました。


資源供給リスクフリー二次電池の開発

工学研究科

稲本 純一?准教授

再生可能エネルギーを利用した発電には、電力平準化のため定置用蓄電池を利用する必要があります。その蓄電池として広く利用されているリチウムイオン電池にはリチウム、コバルト、ニッケル、銅などの資源が使用されているため、将来的に原料価格の高騰や供給ストップにより電池が作れなくなるリスクがあります。そこで我々は安価で資源供給リスクのない原料を利用した二次電池を実現するため、その研究開発に取り組んでいます。


理論計算に基づく新しい高温超伝導物質の設計

理学研究科

北谷 基治?助教

超伝導は低温で電気抵抗がゼロになる現象で、ロスのない蓄電等への応用が期待されているとともに、近年では量子コンピュータの素子としても使われ、様々な分野での活用が期待されています。このような実社会への応用を発展させる上での最大の難点は、超伝導になる温度の低さにあり、この問題を解決するため、理論計算に基づく超伝導メカニズムの解明やより高温の超伝導物質の設計を目指しています。


食品廃棄物の利用価値を創造する

環境人間学部

金子 一郎?准教授

近年、加工食品の利用頻度が増加し、食品添加物に含まれるリンの過剰摂取が大きな問題になっています。カニやエビ、貝の殻は炭酸カルシウムで構成されているため、リンをほとんど含まないカルシウム源になることに注目しています。また、甲殻類はアスタキサンチンやキチン、キトサン等の機能性成分が含まれており、食材としての利用価値も期待できます。甲殻類および貝類廃棄部位の成分分析や有効性の作用機序を研究し、栄養学的付加価値のある食品開発を目指しています。


実社会の課題解決に向けた数理モデルとアルゴリズムの理論的研究

情報科学研究科

東川 雄哉?教授

社会が複雑化し不確実性が増すにつれ、科学的な問題解決の必要性は高まっています。本研究室では、実社会における様々な問題に対して合理的な意思決定を行うために、問題の数学的な定式化を行う数理モデリング、さらに定式化された問題に対して良い解を効率的に与えるアルゴリズムに関する理論的研究を行っています。これらの研究では、ただ理論的であるだけではなく、実社会への応用に耐え得る理論基盤の構築を目指しています。


AI画像認識技術の社会実装

工学研究科

森本 雅和?准教授

近年、AIによる画像認識技術は飛躍的に進歩しており、これを社会の様々な場面で活用する取り組みを進めています。工場における外観検査支援システムを構築して、検査員の負担を軽減したり、再生綿からの異物除去システムを構築して、綿のリサイクル率の向上を目指したりしています。


経済の安定のための大規模なサプライチェーンシミュレーション

情報科学研究科

井上 寛康?教授

パンデミック?災害?国際紛争等が発端で何らかのモノの往来が滞ると、それを原料とするモノがさらにつくれなくなることで、ドミノ倒しのようにショックが伝わり、やがて経済全体に被害を及ぼします。このような現象は年々増加しており、世界の大きな脅威になっています。本研究では、富岳コンピュータほか計算機上で多量の企業の活動を再現することにより、ショックに対してどのような対策を施せば良いのかということを研究しています。


群れを理解し、群れを導くデータサイエンス

情報科学研究科

川嶋 宏彰?教授

人同士、生物同士、さらには人と機械の間のインタラクション(相互のやりとり)に関する研究を行っています。特に現在は、コンピュータビジョンや機械学習の手法を利用しながら、カメラで撮影された魚の群れから、各個体の位置を追跡するとともに、群れとしての動きを数式で表す研究を進めています。群れのメカニズム解明だけでなく、疑似個体による群れの誘導を試みており、実現すれば養殖をはじめとする産業への応用が期待できます。


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